ゆっくんです!子育てについて日々悩まされております。
あれは、結婚して家を出てから半年くらい経った頃だろうか。
なんの用だか忘れたが、私は夜実家に帰った。
おそらく何かモノを取りに行ったとかそんな感じだったと思う。
実家に帰るとは言っても、飛行機や新幹線を使って他県に行くわけではない。
車で20分くらいの距離である。
近くてもそんなに頻繁には帰らない。
よく「息子というものはお嫁さんの実家のほうが、ねぇ〜」という話を息子がいる人に聞く。
世間的には、息子は嫁の実家、娘は自分の実家によく出入りするということらしい。
もちろん旦那の実家の近くに住んでいて、大変な思いをしている奥様方もいれば、悠々自適な生活を送っている方もいるだろう。
かく言う私も、妻の実家が自宅から徒歩3分くらいの距離なので、よくご飯をご馳走になったり、カフェのようにコーヒーをご馳走になったりしている。
居心地の良さが半端ない。
本当にお世話になっている。
このような有様に図々しい婿だと思われていないか心配になる。
そんな私が約半年ぶりに実家に帰るということになった。
「夜実家帰るわ」と3日前くらいに母に連絡をした。
母は「お母さんその日休みだから何時でもいいわよ〜」と答えてくれた。
さほど感情は昂ってなかった気がする。
妹が早くに結婚して家を出ていってしまっていたので、母と私の二人生活が長かった。
「あんたはいつ出ていくの?」と煩わしそうに何度か指摘されていた。
家事もなにもしなかったので当然だろう。
妻と出会い、結婚を前提に同棲を始めると報告したときは、とても喜んでいた。
「やっと厄介者がいなくなる」
母は肩の荷が降りた気持ちだったのかもしれない。
それでも引越しの準備などしているときは、ちょっと寂しそうにも見えた。
「ちょっと実家行ってくるわ」と妻に告げ、妻も「久しぶりに息子が帰ってくるんだからお母さんも嬉しいんじゃない、ゆっくりしてきなよ」と言ってくれた。
私は気の利いた手土産も持たず、車で実家に向かった。
時間を伝えないで行ったほうがサプライズ感があって面白いかなと思い、当日はとくに連絡はしなかった。
毎日そこで生活してたからか、半年ぶりでも少し懐かしい気持ちになった。
車を停め、エレベーターであがる。実家はマンションの7階。
合鍵は持っているので、鍵を回し、ドアを開ける。
私の高揚感とは裏腹に、室内は真っ暗で静まり返っていた。
「あれっ?いないのか?」
そう思った矢先、ラジオの音が聞こえた。
寝室に向かうと、
「ん〜・・・あら・・お・・おかえり・・。」
母はベッドで寝ていた。
「なに?体調悪いの?」
そう尋ねると、
「えっ?何?全然!やることないから寝てたわ」
20時でやることがない、、。
そこには私が住んでいた頃となんら変わりない母の姿があった。
半年、まだ半年だ。もともと一人が好きな人である。
まだ実感が湧かないのかもしれない。
「あ〜、いいよいいよ寝てて、用事済ませて帰るから!」
あのとき寂しそうに見えたのは私の勘違いだったのかもしれない。
もしくは、寂しさは感じているがいつもの生活スタイルは崩さない、ということもある。
たくさんの思い出が詰まった私の部屋の電気をつける。
まだそれほど変化はない。
「じゃあ帰るわ」
「はいよ〜」
半年ぶりの実家は数十分ほどで終えた。
笑えるほどドライな人であると再認識した。
それから13年、今となっては息子を連れて実家に帰ると、とても嬉しそうだし、ご飯やお土産を用意して迎えてくれる。
何事も実感が湧くまでには、それなりの時間が必要なのだ。

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