ある朝、突然母親から連絡があった。
「お父さん帰ってくるって」
えっ?どういうことだ?
僕の父親は29年前に他界したはず。
何がなんだかわからない。
母親が占いババにでも頼んで、1日だけ帰ってくるのだろうか、、、。
今日は親族の葬式があり、久しぶりに帰ってくるらしい。
29年前に急に仕事が忙しくなり、単身赴任で家に帰れなかったとのこと。
それでもまだ気持ちの整理がつかなかったが、身支度を整え葬儀会場に向かった。
天気は快晴。
会場に親族が集まり、妹家族も到着。妹も何がなんだかわからないといった様子。
しばらくの間歓談をしていると、一台の車が駐車場に入ってきた。
「あっ!お父さんが来たわよ!」
母が急いで車に駆け寄る。
父が車から降りてきた。
確かに僕の父親だ。
でも容姿が若い。父の年齢は69歳。それにしては若すぎる。
やっぱりおかしいなとは思いつつも、隣にいる妹は号泣している。
僕も涙が出てきた。でもなんて話しかけたらいいのかわからない。
よくわからんけど、嬉しいことだ。とても嬉しいんだ。
父が僕の息子に話しかける。
「初めまして!もう7歳なんだってな!元気そうな子だ!」
そこで目が覚めた!
あっ!夢か!
涙が出てきた。
夢なのか、、、。
だから若い頃の父親の姿だったのか。
たまに夢に父親が出てくるのだが、毎回泣けてしまう。
もし占いババがいるのなら、1日だけでいいから、父とお酒を飲みながら話がしたい。
そう思いながらもう一度眠りについた、、、。
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